Botanical energy
草木染め
草⽊には様々なパワー、効能があります。漢⽅薬にしたり、お茶として煎じて飲⽤するなど、先⼈の知恵は様々な⽅法で⾒ることができます。草⽊を煮出したり、発酵させて布に染⾊をする草⽊染めもまた、その効能が期待できるといわれています。
例えば、藍染めは防⾍作⽤、抗臭作⽤、鎮静作⽤。⽉桃は、抗酸化作⽤、抗炎症化作⽤、リラックス効果があると⾔われています。
neemでも染料となる草⽊を育てており、藍、⽉桃、カレンデュラ、 ベニバナ、⾃⽣するアカメガシワ、ヨモギ、桑の⽊などがあります。それらの染料で染めたアンダーウェアやベビーグッズは、植物からいただいた⾊とその効能が期待されます。
Color
of neem
草木染めの色
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Persicaria
tinctoria タデアイタデアイ蓼藍は東北以南太平洋側、四国、九州の低山帯・平野部に分布し、葉は長楕円形をしていて、秋に穂状に赤もしくは白の小花をつけます。その葉茎にインジコという色素が含まれており藍染めの染料となることから江戸時代綿栽培の普及と共に藍の栽培も広がりました。科学染料が主流となった現在では藍農家は減少し、志ある藍師たちが徳島に数軒と奄美大島、長野、兵庫で藍を栽培し染料となるすくもを作っています。沖縄では藍染はナンバンコマツナギなどマメ科の植物から作られていて製法も異なります。奄美大島や沖縄の染色工房を巡り、その藍師や染織家の方達のお話を聞くと、きれいな水を求めて奄美の奥地に移住されたり、藍釜の前に藍染明王を祀っていたり、兎に角まっすぐその藍を求める一心さにただただ尊敬の念を抱いたのでした。
科名:タデ科イヌタデ属
和名:蓼藍、藍、アイタデ -
Rubia
akane 日本茜日本茜日本茜は絶滅したように言われていましたが昨今日本の津々浦々で発見され、特に京都美山では日本茜の栽培に成功し、その美しい赤の染料をもって町おこしの活動をしているそうです。私も数年前その美山に行って日本茜の染めものをしました。インド茜とも西洋茜とも違う橙がかった可憐な茜色は忘れることができません。日本茜は長くから日本にある赤の染料として貴重なものであり、その絶滅危惧種としても守り育てたいと思います。植え付けは今春の予定で今年の大きな課題になりそうです。また、根は茜草根と言い生薬として止血、浄血、通経、強壮薬として利用されています。
科名:アカネ科アカネ属
和名:日本茜 -
Alpinia
zerumbet 月桃月桃月桃は熱帯や亜熱帯などに自生していて、沖縄ではごく身近な植物として親しまれており野山に自生しているほか民家の庭先などでも育てられています。neemの畑でも当初より育てており、染料としては根っこを使うのでよく根が育ってからの収穫になります。
科名:ショウガ科ハナミョウガ属
私は西表の紅露工房で月桃染めを初めて体験し、その煮出す時の蒸気がとてもいい香りでその気持ちよさにひたすら蒸気浴を楽しみました。
月桃の葉を煎じた月桃茶には赤ワインよりも多いポリフェノールが含まれており、高い抗酸化作用があると言われています。そのためアンチエイジングが期待できるほか、月桃には脂肪吸収抑制作用や抗菌作用があるそうです。
沖縄名:サンニン、シマゲットウ(原種月桃) -
Miscanthus
tinctorius 苅安苅安苅安はススキと違って葉っぱにギザギザが無く、刈り取りやすいことから刈安とも言われています。近江刈安とも呼ばれ、近江の伊吹山に生える苅安が有名です。背の低い植物が多い伊吹山で、苅安は夏の間にいっぱいの太陽光を浴びて、その葉に色素をたくわえているため特に色が濃いと言われています。フラボノイドという色素を含み、鮮やかな黄色に染まります。また、藍との交染で鮮やかな緑色を出すことができます。
科名:イネ科ススキ属カリヤス節
和名:苅安 -
Mallotus
japonicas アカメガシワアカメガシワ日本の山野に自生していて崩壊地など新しくできた空き地に最初に生える先駆種の一つです。新葉が赤いことからこの名がついたようです。昔から葉に食物をのせてお皿のように使ったり、食用、薬用になる有用樹のため多くの地方名を持っています。生薬としても使われており薬効は胃潰瘍、胃酸過多、胆石症と言われています。西表でも木を刈るところから始まり、皮を剥いで煮出しました。赤みがかったグレーが雰囲気のある色です。
科名:トウダイグサ科アカメガシワ属
別名:ヒサギ(久木)、ゴサイバ(五菜葉)など -
Ixeris
stolonifera ヨモギヨモギ日本各地に野生していて道端にもよく見かけます。食用では春先に若葉を摘んでゆでてから草餅や草団子にします。また蓬は「モグサ」として鍼治療のお灸にも利用されています。漢方では、艾葉(がいよう)といい、止血薬として用いられます。民間でも古来から切り傷などの出血に用いられてきました。葉を湯船に入れて体をあたためるなど、冷えにも良いとされています。抗菌作用・デトックス効果が高いことから、ヨーロッパでは「ハーブの母、ハーブの女王」と呼ばれいているそうです。
科名:キク科ヨモギ属
別名:サシモグサ(指燃草)、モグサ、モチグサ、クサノハ艾(中) -
Cherry
blossom 桜桜日本の春の風物詩、桜は種類が多く、日本に自生している種類だけでも15種類ぐらいあります。昔から日本人はその桜の華やかさと儚さを愛で歌にして想いを伝えていました。江戸の民間療法では桜皮、特に6~8月頃の樹皮を剥いで天日で乾燥させ生薬としていたそうです。。咳、しゃっくり等症状改善が期待できるそうです。
科名:バラ科サクラ亜科サクラ属
neemでも昨年桜染めのワークショップをしました。桜の花が開く間際の春分の日に公園で枝を拾い、逗子のestestestにて作業。桜餅のような香りのなか皆思い思いの桜色を染め上げていました。
和名:ヤマザクラ・ソメイヨシノ・シダレザクラ等