和綿は、日本にある在来種の棉(ワタ)です。雨の多い日本では、雨露をしのぐために花が下に向いて咲きます。その繊維は短く太めで、なかの空洞が大きく空気をふんだんに含んでいるため、湿気が多い夏には通気性が良く乾きやすく、寒い冬には保温性を発揮します。地産地消というように同じ風土で採れた和綿を使うとその気候に適した布を織ることができるのです。また葉山和綿は糸にすると太かったり細かったり太さが変化していて、そのために生地は杢があるような風合いに仕上がっています。糸をガス焼しており毛羽立ちを抑え表面をなめらかにする工夫がされています。
「葉山和綿」とは
三浦半島でも、江戸時代から昭和初期まで棉(ワタ)が栽培されていました。「三浦和綿」と呼ばれていたそうです。畑の大家さんによると、嫁入りした頃は、和綿はそこかしこで栽培されていて、主に布団の綿として使われていたそうです。その「三浦和綿」をこの地で復活させるために、葉山及び南葉山で育てられる和綿を「葉山和綿」と名づけました。
和綿は種類でいうと40種類以上ありますが、neemの畑では6種類の種を植えました。弓ヶ浜、大島和綿、伯州綿、河内和綿、茶綿などです。
Products
プロダクトで大切にしていること
neemでは肌にふれて気持ちよい、やさしい着心地を大切にしています。そしてその心地よさをデザインでも追求しています。古来より⾐服は⾝体を包み、纏うものでした。⽇本の着物の前⾐を重ねる所作が「包む」というところにあり、そのカシュクールのデザインにフォーカスしたのが、ORIGAMIシリーズです。レディスのブラトップ、ショーツの両サイドにカシュクールをあしらって、統⼀感を持たせました。
neemオーガニックコットンのベビーロンパースは、生まれてくる赤ちゃんが安心できる「地元地域で採れた素材」で「着心地」のよい肌着を着せたいという思いからつくられました。葉山和綿の糸で丸編みに仕立ててもらった生地は、大量生産で作られたものとは全く違い、呼吸している、いわゆる生きている布であることが着ると肌でわかります。薄手の生地でも冬は暖かく肌を包み、湿度の高い夏は空気を含んで肌触りはサラリと汗や熱を逃します。
ロンパースはリブ生地なので接地面が少なく、多くの時間横になって寝ている赤ちゃんの背中周りの熱を逃がします。また、動きの出る月齢の赤ちゃんにも、伸縮性のある生地が動きに寄り添い干渉しません。脇接ぎのないシームレスなどお肌にやさしいつくりにこだわりました。着脱しやすいように肩の部分は切り替えになっていて、ORIGAMIORIGAMIシリーズのカシュクールとデザインを合わせました。
neemのアイテムは環境への配慮、サスティナビリティと実⽤性のバランスで制作しています。「⼟から生まれて100%⼟に還る」ことを理想としていて、備品のスナップボタンもオーガニックのものにこだわりました。
お客様からこのようなお声をいただきました。
A様・neemneemのロンパースを着せた赤ちゃんを抱くと、お母さんの方も気持ちよくて嬉しい。
Y様・子どもがよく動くので、伸びの良い生地が着脱しやすい。
One year
of Hayama
「葉山和綿」の一年
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3-4month
土の準備、開墾。
耕して畝立て石灰を撒き堆肥と油かすを入れる。5month種蒔き。
種⼦を⼀晩⽔に浸けておく。
1ヶ所に3粒程度ずつ⼊れて軽く⼟を被せる。
⾬が降ったかのようにしっかり⽔をやる。
発芽するまで毎⽇⽔やり。6month双葉が出て、本葉が出るぐらいに少しずつまびく台風対策に支柱を立て8の字で茎と結いでおく。
(追肥)7-8month開花。
自然農のやり方で水を撒かなくてもよいようになる。
土よせ(時々石灰水や草木灰を撒くと病害虫にやられにくい、追肥)9-1monthコットンボールが弾ける。
綿花の収穫/綿繰りと糸紡ぎ、織り。2month枯れてしまった木々を掘り起こし焚き付け用などに再利用。